武士の時代において名刀は単に求めれば手に入るものではなく 、所持者には刀に相応した「 格 」が求められました。ゆえに刀は人そのものを表し、「もののふの魂 」となったのです。
本展覧会では 、前期展示として「 もののふの魂 」と題し 、日本の歴史に名を遺す武士ゆかりの名刀とともに 、武士の美意識を象徴する甲胄や拵なども併せてご紹介します。 1章「 武将の愛刀 」では、上杉謙信の指料と伝わる一文字の刀や、豊臣秀吉が奉納した三条宗近の太刀 、明智光秀の愛刀「 明智近景 」、伊達政宗が徳川家康から拝領したと伝わる郷義弘の名刀など 、武将と名刀の物語をご紹介します。
2章「 天下三作と大名の宝刀 」では 、天下三作として世に珍重された正宗、吉光 、郷義弘の名刀とともに 、大名家が愛蔵した宝刀を合わせて展示します。
後期展示は「 名刀・美のひみつ」と題し 、日本刀の鑑賞ポイントである「 刃文 」・「 地鉄 」・「 姿 」の三つの要素から 、名刀の美について迫ります。切れ味を保っため必要不可欠である「 刃文 」、刀工の流派による個性が表れ 、奥深い鉄の魅力を感じさせる「 地鉄 」、刀の反りや鋒といった形状の美しさなど、名刀の持つ「 姿 」の美をご覧ください。