「秋水」とは、曇りなく研ぎ澄まされた日本刀を表す言葉です。日本刀は平安時代中期以降に武器として生まれましたが、その中に秘められた精神性と美術性から、現在まで日本を代表する芸術品として伝来してきました。
開館の初年度は、所蔵名品刀展「秋水の美」として、当館が所蔵する日本刀の名品を中心に一年間を通じて4回にわたり展示します。なかでも、重要文化財指定の虎徹(虎入道銘)や正宗といった著名工をはじめ、将軍家や大名家伝来の優品、さらに鎌倉時代末期頃に活躍した則重や郷義弘、室町時代に繁栄した宇多派刀工など越中国で作刀された刀剣なども展示し、日本刀の持つ奥深い魅力についてご紹介します。また同時に、日本刀から広がる美の世界として、刀装具をはじめ、甲冑や兜なども併せて展示いたします。