日本刀は平安時代中期から現代に至るまで、約千年の間作られ続けています。その間には数多くの刀工が活躍し、刀を世に送り出してきました。それらは誰もが知る歴史上の人物はもちろんのこと、歴史に埋もれた名もない人々の手にも携えられ、歴史そのものを間近で見てきたのです。
今回の展示では館蔵の名刀の中から、制作年号などを明らかにする銘文「紀年銘(きねんめい)」が残る作品を選び、刀が生まれた時代の出来事や文化を合わせてご紹介します。長い年月を経て現代に残る、名刀の誕生日に思いを馳せて鑑賞をお楽しみください。
画像1. 太刀 銘 備前国左近将監長光(造) 永仁五年三月日(表)/
画像2. 金梨子地片喰紋散蒔絵鞘糸巻太刀拵(長船盛重附属)/
画像3. 文禄・慶長の役図大小鐔 銘 藻柄子入道宗典製 江州彦根住(部分)/
画像4. 短刀 銘 藤原真景 貞治六年二月日(部分