民藝とは、「民衆的工芸」の略語で、思想家柳(やなぎ)宗悦(むねよし)をはじめ、美意識を同じくする河井寬次郎、濱田庄司らによって作られた言葉です。彼らは、名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、美術品に負けない美しさを持ち、美は生活の中にあると語りました。そして、各地の風土から生まれ、生活に根ざした民藝には、用に則した「健全な美」が宿っているとして、新しい「美の見方」や「美の価値観」を示し、民藝運動を提唱しました。
この度、民藝運動で重要な役割をはたした河井寬次郎や濱田庄司、芹沢銈介などの作品とあわせ、柳宗悦が見出し、民藝運動を通して世に紹介した李(り)朝(ちょう)磁器の優品を展覧いたします。作品に宿る健全な美と民藝の魅力を是非ご堪能ください。
【主な展示作品】
河井寬次郎 三彩茶碗 富山市佐藤記念美術館蔵
濱田庄司 鉄絵草文茶碗 富山市佐藤記念美術館蔵
黒田辰秋 拭漆欅 煙草セット、河井寬次郎 灰落とし、安川慶一 マッチ箱
染付辰砂桃形水滴(李朝)個人蔵
白磁長頸瓶(李朝)個人蔵
染付蔓草文面取壺(李朝)個人蔵
柳宗悦 こころのうた 富山市民芸館蔵
棟方志功 大慈航観世音菩薩図
芹沢銈介 二曲一隻屏風 沖縄風物一