長曽祢虎徹はもと越前国(福井県)の甲冑師であったとされています。五十代を過ぎて作刀の道に進み、江戸時代前期の江戸で活躍しました。鉄の扱いが上手で、実用性を重視した強靭性と、明るく冴えた刃文や精緻な地がねなど美術性を兼ね備えた作品を生み出しました。
この刀は寛文十一年の年紀があり、虎徹大成期の作品になります。また、銘は「虎入道」と切った珍しいものです。冴え渡る刃文と精緻で美しい地がねは見事というほかなく、虎徹の作刀業の総決算と呼ぶにふさわしい名品です。幕末には庄内藩(山形県)で家老を務めた菅実秀(すげ さねひで)が所持していました。
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